社会福祉法人の経営状態判定のチェックリストなど導入へ―東京都(医療介護CBニュース)

 東京都の社会福祉法人経営適正化検討会は4月16日までに、社会福祉法人の経営状態を判定するためのチェックリストなど、問題を抱えた社会福祉法人の再建を目指すシステムを導入する方針を固めた。同検討会では今後、既に作成したチェックリストなどの案について都内の法人から意見を募り、内容を調整した上で、来年度には運用を開始する予定だ。

 東京都では、2008年度だけでも250の社会福祉法人に対して経営指導などを実施している。中には、「制度上認められていない施設会計(施設経理区分)から本部会計(本部経理区分)への貸し付けが長期にわたり継続している」「法人の資産と、個人の資産・債権が混同されている」「法人本部はあっても、運営や資金繰りの状況を掌握できていない」といった例もあった。

 こうした事例は、問題が深刻化してから明らかになることが多く、解決までに長い時間を要した。都では、より早い段階で法人の課題を把握し、指導する努力は続けてきたが、「指導をすべきかどうかを判断するための基準が不明確である上、対策が体系化されていないので、迅速な対応を実現するのは難しかった」(福祉保健局指導監査部の村田由佳指導調整課長)。

 こうした状況を打開するため、同検討会では、社会福祉法人が抱える問題をより早く把握し、対応するための仕組みの案を作成した。案では、まず法や国の通知に基づく検査基準を踏まえ、「組織・人材管理」「サービス」「会計経理」などの内容で構成されたチェックリストに従って各法人の経営状況を調査し、一定の条件に当てはまった法人については、従業員の満足度や問題意識などを調査する「モラールサーベイ・チェック」や財務分析などを活用して、経営上の問題の所在を洗い出す。

 その後、得られた結果を基に、分析対象となった法人の経営に対し、緊急に介入すべきかどうか、あるいは自主改善の可能性があるかどうかを判定。緊急に介入する必要がある法人や自主改善が望めない法人には、都が強力に指導し、再建を目指すとしている。一方、緊急性がない場合や自主改善の可能性があると判断された法人は、都の指導や区市町村の適切な関与を受けながら、経営の立て直しを目指すことになる。

 都では今後、都内の法人と協力してチェックリストなどの利便性や有効性を検討し、その内容を調整する方針だ。村田課長は「今年度中には検討を終え、来年度から運用を開始したい」と話している。


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